【11】あなたは、「総合的な学習の時間」における評価について、悩みがありますか。以下の中から1つ選んでください。ただし1を選んだ場合、どのよう悩みか、簡単に書いてください。
 1.ある(                          )
 2.ない
 
●結果と考察   教師の評価観の転換
 評価について悩みがあると回答した教師286名から、悩みの理由について具体的記述があった。それらをみると、総合的な学習の時間においての評価の課題が浮き彫りになった。様々な観点から分析することができたが、やはり教師自身の評価力量が最大の課題である。記述によると、これまで通知票や要録のための評定が主たる評価活動だったことがうかがえるが、総合的な学習の時間ではそれに反して、指導と評価の一体化という形成的な評価活動が中心になる。そのために、これまでの考察でも述べてきたが、教師の評価力量が大きく問われる。今まで以上に、個に応じた見取りや評価方法の工夫などが必要になる。
 また総合的な学習の時間では、子どもが主体的に学ぶ力や生きる力を育てていくためのカリキュラムが学校独自でつくられることから、学習活動の改善や指導方法の向上も大変重要になる。さらに、地域の特色を生かすことが学校独自のカリキュラム作成にとって不可欠であり、地域への説明責任や地域の評価力を高めることも必要不可欠になる。
 新教育課程がスタートした平成14年度は、教師の評価観について大きな飛躍の年ではないだろうか。また、総合的な学習の時間を授業実践した担任教師だけの課題ではなく、学校全体の課題として全教職員で研修していかなければならないと考える。