【2】あなたにとって、「総合的な学習の時間」での実践上の課題は何ですか。以下の中から3つ選んでください。ただし14を選んだ場合は、他にどんな課題があるか簡単に書いてください。
 1.カリキュラム開発(学校独自の目標や内容、系統性など) 2.指導方法(子ども主体の課題解決学習など)
 3.評価(内容・方法)             4.子ども自身の振り返り活動
 5.地域の人材の確保              6.施設や設備
 7.教科等との関連               8.基礎学力
 9.小・中の連携・接続             10.安全性の確保
 11.活動時間の不足               12.教材研究の時間の確保
 13.保護者や地域への説明責任          14.その他
                                
●結果と考察  指導と評価の一体化をめざして
 評価について課題があると回答した教師が70%以上いたことから、平成14年度5月現在の最重要課題が評価だということは明らかである。このような結果になったのは、一つは新教育課程がスタートし相対的評価から絶対的評価への転換がはかられたことから、評価についての関心が高まっているからだと考える。そしてもう一つは、総合的な学習の時間のカリキュラムが各学校に任されているので、教師一人ひとりの評価に対する自覚が高まっているからだと考える。
 また、指導方法について課題があると回答した教師が63%いた。指導と評価の一体化(形成的評価)という観点からとらえると、評価と指導方法は表裏関係にあり、このような結果になったことはうなずける。さらに、総合的な学習の時間の評価については、教科における評価のとらえ方と同じでは難しい側面があると考える。子どもが主体的に学ぶ力や生きる力を育てることが大きな目標であることから、形成的評価が重要視され、教師の指導力も試される。
 また、カリキュラム開発という回答が3番目に多く、37%を占めた。これは、総合的な学習の時間は学習指導要領が各学校に任されていることから、教師一人ひとりに対してもカリキュラム開発を行う力量が求められているからであろう。逆に、基礎学力の問題が20%足らずであったことは、世論で学力低下が大きく騒がれていることに照らし合わせると、意外な結果である。新教育課程の大きな課題が学力低下問題であることから、総合的な学習の時間においても学力について課題意識をもつことが必要である。
 平成14年度以前の試行期において様々な実践が行われてきたが、いよいよ完全実施がスタートした。今後ますます、各学校が独自に作成した総合的な学習の時間のカリキュラムが厳しく問われ、さらに評価についての課題が具体的なものとして明らかになるだろう。