地域連携−地域の施設や人材を活用した運営に関する研究(群馬県総合教育センター)

学校支援センターの効果的な運営Q&A

学校支援センターを効果的に活用しましょう

平成19年3月20日(火)更新

学校支援センターの効果的な活用について、素朴な疑問や悩みを解決するため、
Q&A方式
にて掲載しました。

質   問 回答
Q1 学校支援センターを機能させるには、どのような配慮が必要ですか? A1
Q2 空き教室がないのですが、学校支援センターの部屋をどのように確保したらよいですか? A2
Q3 既存の学校支援隊と学校支援センターとを、どのように結びつけたらよいですか? A3
Q4 平成19年度より嘱託員がいなくなりますが、その仕事を誰がどのようにして担ったらよいですか? A4
Q5 学校支援ボランティアをどのようにして募ったらよいですか? A5
Q6 ボランティアバンクの有効な活用法には、どのようなものがありますか? A6
Q7 校内の全体計画や年間指導計画の見直しにより、どのような意義や活用方法がありますか? A7
Q8 連携推進担当と職員との共通理解など、校内体制をどのように築いたらよいですか? A8
Q9 学校支援センターの効果的な活用によって、教員の負担は軽減されるのですか? A9
Q10 学校支援ボランティアには、どのような活動がありますか? A10
Q11 地域や校種によって、学校支援センターの活動内容に大きな違いはありますか? A11
Q12 他の学校の取り組みや先進地域の新しい情報を、どのように取り入れたらよいですか? A12
Q13 外部から学校を支援してもらえるシステムを、どのように築いたらよいですか? A13
Q14 児童生徒の個人情報を保護するためには、どのような配慮が必要ですか? A14
Q15 ボランティアの方々への謝金やお礼は必要ですか? A15
Q16 本校の学校支援センターの取り組みを、どのように地域に紹介したらよいですか? A16
Q17 ボランティアコーディネーターとボランティアリーダーとの活動に違いはありますか? A17
Q18 活動中の事故等が心配ですが、ボランティアの方々への補償はどのようにしたらよいですか? A18
Q19 学校支援ボランティア活動を維持する資金を、どのように生み出したらよいですか? A19
Q20 PTA活動と学校支援ボランティア活動との調整を、どのように行いますか? A20
Q21 学校評議員を学校支援センターの活動に、どのように結びつけたらよいですか? A21
Q22 既存のボランティア団体と学校支援センターとの調整は、どのようにしたらよいですか? A22
Q23 社会教育や生涯学習と学校教育との連携は、どのようにしたらよいですか? A23
Q24 NPO法人や企業と学校教育との連携は、どのようにしたらよいですか? A24
Q25 放課後子どもプランと学校支援センターとの連携は、どのようになりますか? A25

Q1 学校支援センターを機能させるには、どのような配慮が必要ですか?
A1 ボランティアの立場になって考えたらいかがでしょうか。ボランティアを活用しようという発想でなく、子どもたちのために協働体制で教育活動を行います。ボランティアの過度な負担になるような期待は避けるようにしたいものです。
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Q2 空き教室がないのですが、学校支援センターの部屋をどのように確保したらよいですか?
A2 群馬県教育委員会としては、機能としての学校支援センターを求めています。ボランティアの人々が気軽に集まり、職員や子どもたちとの交流ができるスペースがあれば常設する必要はありません。例えば、会議室等を臨時に活用することで機能を発揮できます。
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Q3 既存の学校支援隊と学校支援センターとを、どのように結びつけたらよいですか?
A3 学校支援隊とは、地域の教育力を学校に生かし児童生徒の豊かな人間形成を実現するために組織された団体です。保護者や地域の住民が、総合的な学習の時間や特別活動での学習活動を支援したり、学校周辺の環境整備や安全パトロールなどに取り組んだりしています。既存の学校支援隊がしっかりしている学校は、学校支援センターの機能を最大限に発揮することができます。コーディネーターやリーダーの育成がやりやすいなど、学校支援隊の良さは見直されています。現在の学校支援センターは、学校支援隊よりも幅広い活動となっています。
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Q4 平成19年度より嘱託員がいなくなりますが、その仕事を誰がどのようにして担ったらよいですか?
A4 今までの嘱託員の仕事を、コーディネーターとしてボランティアのみで行うことは負担が重すぎます。各ボランティアリーダーが仕事を分担して負担の軽減を図ります。コーディネーター不在の活動でも差し支えありません。例えば、学校や地域の様子を熟知しているPTA本部経験者がコーディネーターとして適任です。
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Q5 学校支援ボランティアをどのようにして募ったらよいですか?
A5 ボランティアの活動内容によって、公募する方法と口コミで勧誘する方法があります。安易に募集をかけると活動がなかったり、適任者がいなかったり、新たな問題が発生することもあります。チラシを配布するのと同時に募集をするとうまくいきます。ボランティアの人間関係を把握することも活動の重要な要素です。コーディネーターが活動内容を紹介した簡単なチラシを作成し、勧誘しながら優秀な人材を発掘している学校があります。広報と募集は密接な関係があります。
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Q6 ボランティアバンクの有効な活用法には、どのようなものがありますか?
A6 ボランティアを公募し、バンクに登録してから活動を考えると、バンクを有効に活用できない問題が発生します。活動内容によっては、ねらいに沿った教育活動ができたら、ボランティアの実績として登録していく方法もあります。公募の場合、優秀な人材を確保するために、原則として登録は単年度とし、毎年更新してうまくいっている例があります。
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Q7 校内の全体計画や年間指導計画を見直しにより、どのような意義や活用方法がありますか?
A7 地域の教育力を活用すると、教育活動の一層の充実が期待できます。学習内容や特別活動、総合的な学習の時間などの全体計画・年間指導計画を見直し、地域の教育力を積極的に取り入れます。連携推進担当は、年度当初の計画に従って、コーディネーターに募集を依頼します。新たな視点で常に授業改善をしていくという教師の姿勢が求められています。授業のねらいに即して、ボランティアの方と十分な打ち合わせが必要です。
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Q8 連携推進担当と職員との共通理解など、校内体制をどのように築いたらよいですか?
A8 教頭・教務主任・学年主任等、学校と地域を動かす指導力のある方が連携推進担当を担っています。各学年に同担当を配置したり、総合的な学習の時間、特別活動等の主任等を、校内学校支援センター推進委員として定例会を開いたりするなど、各学校の実態に応じた校内体制を構築することが求められています。
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Q9 学校支援センターの効果的な活用によって、教員の負担は軽減されるのですか?
A9 学校支援ボランティア活動を年間指導計画に意図的に位置付けたり、校内体制を充実させたりして、校内学校支援センター推進委員会等の組織が強固になると、地域からの信頼が厚くなり、地域の協力が得やすくなります。実績が上がってくると、結果的に教師の負担は軽減されます。地域に根ざした学校は、教師にとって魅力のある職場になります。保護者や地域の人々が、子どもたちのために働く教師のお手伝いをしてくれるでしょう。教師が輝くと子どもたちも輝きます。そうした理想的な職場となるよう、協働体制で知恵を出し合い、学校支援センターの組織を確立していきます。
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Q10 学校支援ボランティアには、どのような活動がありますか?
A10 地域の方ができる学校支援として、学力向上、安全指導・安全確保、読み聞かせ、学校行事のお手伝い、学校内外の環境整備等があげられます。最近では、土曜スクールや放課後寺子屋塾等の学力向上の分野に関心が向いてきました。総合的な学習の時間や特別活動、道徳、各教科等の教育活動で、学校支援ボランティアは活躍できます。宮城県が実施している「みやぎらしい協働教育(地域との協働による教育活動のヒント)」によると、起業教育、食育、環境教育、郷土学習、人権教育、ボランティア学習、農業体験、自然体験、体育・文化活動、世代間交流、イベントの企画・実施、地域の観光ボランティア等を紹介しています。学校や地域の実態に即して、創発(創造・発見)していく楽しみがあります。
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Q11 地域や校種によって、学校支援センターの活動内容に大きな違いはありますか?
A11 全般的に都市部と山間部とでは、地域の人々の学校へのかかわり方は異なるようです。地域や学校の実態に即した学校支援センターを形づくっていきます。小学校と中学校とで共通する活動として、登下校時の安全ボランティアや環境整備ボランティアなどがあります。小学校では読み聞かせや図書館の整備、学校行事のお手伝いなどが多く、中学校では部活動支援ボランティアが普及しています。中学校の学習ボランティアは、小学校よりも教科等の専門性が要求される場合が多くなります。総合的な学習の時間や特別活動でゲストティーチャーとして主に活躍しています。
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Q12 他の学校の取り組みや先進地域の新しい情報を、どのように取り入れたらよいですか?
A12 教育事務所や市町村の連携推進担当研修会での各学校の取り組みを参考にすることができます。授業研究会や練習試合等で学校訪問した折に、情報を仕入れることもできます。良い先行事例は、校内研修等で職員に紹介します。学校支援センター関連リンク集を作成しましたので、詳しくはwebページをご活用ください。
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Q13 外部から学校を支援してもらえるシステムを、どのように築いたらよいですか?
Q13 本来、学校支援は外部が行うものであり、内部がそれを受ける立場にあります。教員の負担の軽減は、これによって実現できます。例えば、学校と地域をよく知る歴代PTA会長の会合を開催し、アイディアを出し合います。
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Q14 児童生徒の個人情報を保護するためには、どのような配慮が必要ですか?
A14 例えば、「ボランティアに参加する心構え」を配布し、簡単な事前研修を行ってから活動を開始します。ボランティアに参加してよかったことは積極的に話をして広めてもらうようにしますが、活動で知り得た個人情報は口外しないようにするなどの約束をします。top


Q15 ボランティアの方々への謝金やお礼は必要ですか?
A15 ボランティアは無償が原則ですが、すべて無償では長続きしません。例えば、活動は半日2時間以内とします。ボランティアに負担をかけない無理のない活動を心がけます。回数は多くても構いません。前回参加できなかった人が参加できるからです。専門性が必要な講師には、原則として謝礼が必要です。通常は、学校支援ボランティアに参加するだけで満足感が得られますので、子どもからの感謝の言葉やお礼の手紙で十分です。一日の活動の場合は、手弁当にしてもらうようにお願いします。職員とボランティアとの交流の場ができるような雰囲気づくりが大切です。
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Q16 本校の学校支援センターの取り組みを、どのように地域に紹介したらよいですか?
A16 調査研究の結果、「広報の上手な学校は、募集も上手」ということがわかりました。ボランティアの立場にたって、「ぜひ、やってみたい」という気持ちにさせる工夫が必要です。例えば、コーディネーターが活動の様子をリーフレットなどにまとめ、保護者や地域の人々に配布したり回覧したりして、募集を兼ねて広報を行います。
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Q17 ボランティアコーディネーターとボランティアリーダーとの活動に違いはありますか?
A17 例えば、安全ボランティアや読み聞かせボランティア、部活動支援ボランティアなどの各代表は、ボランティアリーダーといいます。ボランティアリーダーを集めた会合(仮称‥校内学校支援ボランティア推進委員会)の司会や取りまとめをする人を、ボランティアコーディネーターといいます。指導力のあるリーダーはコーディネーターを兼ねていることもあります。
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Q18 活動中の事故等が心配ですが、ボランティアの方々への補償をどのようにしたらよいですか?
A18 各学校が市町村教育委員会に申請し、ボランティアを登録し、ボランティア保険に入るシステムになっています。ボランティアの活動によっては危険が伴うものもあります。事故防止に十分に気をつけるとともに、コーディネーターやボランティアの方々が活動しやすくなるような補償が必要です。
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Q19 学校支援ボランティア活動を維持する資金を、どのように生み出したらよいですか?
A19 自主的な財源としては、環境教育や金銭教育と兼ねた廃品回収やスクールサポートバザーなどによって、ボランティア基金を設立している学校もあります。
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Q20 PTA活動と学校支援ボランティア活動との調整を、どのように行いますか?
A20 子どもたちのために活動する目的や理念は互いに共通するものがありますが、PTA活動=学校支援ボランティアではありません。学校支援ボランティアは、個人の自主的な参加によって成り立ちます。PTAが活躍している学校支援ボランティアはうまくいっています。
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Q21 学校評議員を学校支援センターの活動に、どのように結び付けたらよいですか?
A21 学校評議員は、地域に根ざした学校づくりの立場をよく理解している協力者であり、地域をまとめる指導者でもあります。学校評議員がボランティアコーディネーターを務めている学校もあります。学校評議員が、学校支援センター運営推進に関与している学校は、「地域に開かれた学校」として活気に満ちています。学校評議員会と併せて、校内学校支援ボランティア推進委員会を開催する学校もあります。
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Q22 既存のボランティア団体と学校支援センターとの調整は、どのようにしたらよいですか?
A22 地域で実績を上げているボランティア団体や支援組織は引き続き活動してもらいます。学校支援センターは機能としての組織ですから、無理に学校支援センターに組み入れる必要はないでしょう。子どもたちのために行っているボランティア活動としては互いに共通しています。協働体制で取り組んでいきます。
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Q23 社会教育や生涯学習と学校教育との連携は、どのようにしたらよいですか?
A23 地域の教育力を再生し高めるためには、社会教育が主体となります。学校教育は広い意味で生涯学習に含まれます。公民館等の研修講座で新たに身に付けた技能を、学校支援ボランティア活動で発揮することができます。教師の技能や指導力を、地域教育の推進に充てることもできます。連携推進担当は、公民館の職員と交流を深めていくと、地域の様々な情報を得ることができます。地域の教育力を向上させる事業として、小学3年生以上を対象として一週間程度、公民館や少年自然の家に宿泊しながら、学校に通う「通学合宿」を実施している地域もあります。
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Q24 NPO法人や企業と学校教育との連携は、どのようにしたらよいですか?
A24 学校支援ボランティアは、いわゆるエリア型とテーマ型に区分できます。エリア型は、学区内など活動地域が限定されています。テーマ型は、活動地域が学区内を基盤として広域に拡がっています。例えば、インターネットつなぎ隊(前橋市)や算数支援隊(太田市)の活動はテーマ型にあたります。テーマ型の中には、NPO法人として発展している団体もあります。学校支援ボランティアがNPO法人として活動している先行事例もあります。地域貢献活動として、学校の教育活動を支援する企業が増加しています。食育や環境問題等をテーマとして出前授業を提供し、講師の派遣や費用を負担している企業もあります。
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Q25 放課後子どもプランと学校支援センターとの連携は、どのようになりますか?
A25 平成19年度より文部科学省と厚生労働省の放課後対策事業の連携として、放課後子どもプラン推進事業が始まります。詳しくは教育委員会にお問い合わせください。
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